α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI薬)

α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI薬)

食事のおよそ60%は糖質だと言われていますが、糖質は小腸でα‐グルコシダーゼと呼ばれる酵素の作用でブドウ糖に分解されます。
ブドウ糖は血流によって運ばれ、インスリンによってさまざまな組織で蓄積、あるいはエネルギーとして活用されます。
通常は食べた直後にインスリンが必要量分泌され、食後に増えるブドウ糖は間を置かずに処理されます。

しかし、糖尿病を発病していると、インスリンを分泌する機能は著しく低下しています。
そのため、食後のインスリン分泌が遅くなって、血液中のブドウ糖の処理が遅れ、血糖値が上がってしまうのです。

α‐グルコシダーゼ阻害薬はα‐グルコシダーゼの働きを抑えて糖質が分解されにくくして、消化や吸収を遅らせます。
そうすることで食後に血糖が上がりすぎないようにし、高血糖を予防します。

α‐グルコシダーゼ阻害薬を用いる場合は、必ず食前に服用すること、運動療法や食事療法を並行して行うことが重要となります。
インスリン療法、インスリン抵抗性改善薬、ビグアナイド薬、SU薬などによる治療を行っている場合でも、併用することが可能です。
α‐グルコシダーゼ阻害薬単独で低血糖が起こることはあまりありませんが、ほかの薬と併用する場合は気をつける必要があります。
α‐グルコシダーゼ阻害薬を服用していて低血糖状態となった場合は、ブドウ糖を摂取するようにしましょう。
ショ糖を摂取するとブドウ糖への分解が抑制されてしまうため、低血糖の改善にはつながりません。

服用したばかりのころは下痢や腹部の張り、おならなど消化器系の不調が見られやすいと言われています。
これは消化しきれない炭水化物が腸内細菌の力で分解されて有機物が生まれているだけなので、薬を継続的に服用することで、こういった症状は見られなくなります。
不快な症状があるからといって、勝手に服用をやめるのはよくありません。

また、消化管の手術経験者、高齢者が服用すると、腸閉塞などの深刻な副作用があらわれる場合があります。
肝機能障害が生じることもあるので、肝機能検査は必須と言えるでしょう。

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