副腎疲労症候群との関係

副腎疲労症候群との関係

副腎疲労症候群(アドレナル・ファティーグ)とは聞きなれない病気かもしれません。
日本での認知度はまだ低く、診察できる医師も少ないのが現状です。

副腎疲労症候群とは、アメリカのジェームズ・L・ウィルソン博士が、提唱した症候群で、正式には日本では「病気」と分類されません。
副腎疲労症候群とは、過度のストレスがかかったために副腎の機能が低下する症状です。

副腎とは、腎臓の上にある、くるみぐらいの大きさの小さい臓器で、体の多くのホルモンを司っています。
ホルモンというと、「女性ホルモン」「男性ホルモン」などを耳にしたこともあると思いますが、こう言った性に関係するホルモンの他にも、体には数多くのホルモンが存在し、生命の維持に働いています。
副腎からでるホルモンは、50種類以上あり、複雑に絡み合って働いています。
そのうち、コルチゾールというホルモンは、「ストレスホルモン」といい、私たちの体がストレスを受けた時に負けないような働きをしています。
コルチゾールの守備範囲は驚くほど多岐に渡ります。
ストレスを受けるたびに、血糖、免疫機能、血圧、脳の覚醒に関わる神経作用、骨の代謝などが正常に働くように調整しています。
また、脂肪をエネルギーに変えるために、糖質を蓄え、体の修復や回復に必要なタンパク質が使えるようにする働きももっています。
さらに、コルチゾールは、体内のうちで最強の抗炎症物質であるため、筋肉や皮膚の炎症や腫れを回復させる働きもあります。
このように万能なコルチゾールですが、体がストレスを受けると副腎はそれに対応するために、盛んにコルチゾールを作り出します。
ところが、コルチゾールが過剰に分泌される状態が続くと、副腎が疲れ果ててコルチゾール自体を作らなくなり、ストレスと戦えない状態になってしまいます。
そこで免疫機能が低下し、副腎疲労症候群と呼ばれる様々な問題がでてくるようになります。

副腎疲労症候群の症状とは、例えば、日常的に疲れやだるさを感じる、性欲がなくなる、便秘が続くという人もいれば、朝にベッドから起き上がることもできない重度のうつ状態になってしまう人もいます。
疲れがなかなか抜けないといったレベルから、学校や仕事にも行けなくなるというレベルまで、重症度も様々です。
症状の程度の差こそあれ、副腎疲労症候群を患うと、ほとんどの人につきまとうのが慢性的な疲労感です。
ところが、ストレスの原因がはっきりとわからないままで頑張りすぎてしまうと、副腎の疲労が限界に達し、ついにコルチゾールを分泌することができなくなってしまうのです。

副腎疲労症候群の代表的な症状は以下の通りです。
●筋肉痛がなかなかとれなかったり、虫刺されがなかなかなおらない
●アレルギーが重症化する
●睡眠障害が起こったり、感情の起伏、忍耐力、思考力、記憶力に障害がでる
●睡眠リズムが乱れたり、不眠になったりする
●低血糖症をひきおこしたり、甘い食べ物がやたらと欲しくなる
●塩辛いものがやたらと欲しくなる
●心拍数が不規則になったり、立ちくらみがする
●更年期障害や、PMSがひどくなる
●抗うつ剤を飲んでもうつ状態が回復しない

副腎疲労症候群は、食事やライフスタイルの改善、ストレスを取り除くことで回復するといわれています。
アメリカの抗加齢学医学会では、糖尿病や他の疾患を治療するにあたり、また、ホルモン補充療法を行う場合には、まず、副腎疲労症候群の治療を優先的に行うように指導しています。
低血糖を引き起こす副腎疲労症候群と高血糖が原因で起こる糖尿病は、一見関係がないように見えます。
しかし、副腎疲労症候群であっても糖尿病を引き起こすこともある上、食事の好み(糖質・炭水化物をたくさん取る)などが糖尿病の患者と重複する点からも、相互の関わり注意すべきです。
副腎疲労症候群に有効とされる、糖質を控えて野菜やタンパク質をバランスよくする食事は、糖尿病の患者にとっても有効です。
副腎疲労症候群の治療では、甘いものやパンやパスタ、うどん、白米などを積極的にコントロールするので、糖尿病の患者の取るべきとされる食事と似る傾向にあります。
したがって、副腎疲労症候群の回復のための食事療法は、糖尿病の改善にも役立つということができます。
ただし、インスリンを使っている糖尿病患者が、起こす急激な低血糖は、副腎疲労症候群のそれとは違って、糖分の補給が命を左右します。
したがって、糖尿病の人に低血糖の症状が出た場合は、すみやかに糖分を摂取するようにします。

スポンサーリンク

副腎疲労症候群との関係 関連ページ

インプラント治療との関係
インプラント治療とは、体に埋め込む形の医療機器や、それにまつわる治療法のことを言います。 心臓のペースメーカー […]
糖尿病患者の喫煙はどうなのか
目次1 喫煙は百害あって一利なし2 糖尿病患者への害 喫煙は百害あって一利なし 喫煙は交感神経を刺激して血糖を […]
心房細動との関係
心房細胞になると心拍の動きが過剰に増え、1分間で300回以上にもなると言われています。 通常であれば、安静時に […]
微量元素との関係
微量元素の不足が糖尿病などさまざまな病気に関わっているのではないかという研究は昔からされてきました。 微量元素 […]
性格との関係
糖尿病と人の性格には関係があるのでしょうか。 昔から「病は気から」と言われ、気の持ちようが病気のかかりやすさ・ […]
口の渇きについて
目次1 ドライマウス2 なぜ口が渇くのか ドライマウス 口の渇きは、「ドライマウス」とも呼ばれ、口がカサカサし […]
コーヒーとの関係
目次1 抗酸化作用とは2 クロロゲン酸がコーヒーには含まれている3 コーヒーは糖尿病のリスクを下げる 抗酸化作 […]
口臭との関係
糖尿病になると口臭がきつくなるという話を聞いたことがあるでしょうか。 糖尿病による口臭の原因はいくつかあります […]
リウマチとの関係
目次1 リウマチは合併症ではない2 免疫が暴走するのはなぜ? リウマチは合併症ではない 結論から言うと、リウマ […]
低体温との関係
目次1 低体温とは2 免疫と感染症3 予防と低体温の克服 低体温とは 低体温とは、平熱が36度以下の状態を指し […]

トラックバックURL

https://tonyobyo.minaoso.info/%e5%89%af%e8%85%8e%e7%96%b2%e5%8a%b4%e7%97%87%e5%80%99%e7%be%a4%e3%81%a8%e3%81%ae%e9%96%a2%e4%bf%82/trackback/